アルコール依存症と家族(家族プログラムを受講して)
こんにちは。デイケアスタッフです。
土曜日に開催している依存症家族プログラムCRAFTを受講したご家族の方から、プログラムを受講しての感想をいただきました。ご紹介します。
「アルコール依存症と家族(家族プログラムを受講して)」
主人がアルコール依存症ではないかと気が付いたのは、泥酔で暴力を振るわれたのがきっかけでした。
若いころから、酒好きで人より飲酒量が多いだけと思っていました。しかし、年齢と共にアルコールによる粗相が目立つようになり、ある日事件は起きました。
飲みすぎから粗相をした事を咎めた私に腹をたて、主人は、私を床へと突き飛ばしました。一瞬何が起きたか分かりませんでしたが、主人の様子は完全に目が座り泥酔状態でした。
娘が間に入り事なきを得ましたが、これが私ではなく他人だった日には、いつか犯罪を起こしてしまうと思いました。
娘とアルコール依存症について調べたところ、G&AクリニックのHPにたどり着きました。調べていくとアルコール依存症は専門医療機関で受診する事が大切だと分かりました。
翌日、土下座して謝る主人にアルコール依存症の可能性があることを告げ、本人も自ら受診すると予約を取りました。
診察では、AUDIT(アルコール依存症の判定テスト)も行いました。結果は、飲酒習慣で重症である数字がでました。また先生も細かくアルコールの量をヒヤリングから算出してくださり、正式にアルコール依存症と診断されました。
本人は断酒すると言いましたが、減酒でも治療薬はあるとの事。私もいきなり高い目標を掲げるのは、挫折する原因になると思いました。ただ一時期減っても意味はありません。継続する事が目標でしたので、先生の治療方針に賛成でした。それから、減酒の治療は始まりましたが、アルコールが摂取出来ないとイライラし当たられる日が続きました。
私も精神的に疲弊しました。人と話をしたくなくなり、夜も眠れなくなり、先生に診察していただきました。
アルコール依存症の事が全く分からないので、主人を理解する事も出来ません。家族プログラムがある事を初診の際に聞いていたので、参加すれば主人を理解し、自分も楽になれるのではないかと思い参加を決めました。また、家族がプログラムに通うことにより、本人だけが依存症と戦っているのではなく、家族も依存症の事を学び、一緒に戦っている事が伝わってくれればと思ったのも参加理由の一つです。
プログラムは全7回でした。プログラムを受講し気が付いたのは、今までの自分の対応は、間違っていた事。その理由も学ぶと納得する事ばかりでした。プログラムで学び、実践しては失敗。全てが思う通りにはなりません。しかし、依存症に対する知識がある事で、自分の気持ちを落ち着かせる方法や相手への対応も全く変わりました。プログラムに出席してから、私の気持ちにも余裕が出てきたと思います。
プログラムに行くのは自分の癒しの場にもなりました。依存症の問題は、周囲には大変話しづらく一人で抱えてしまいます。プログラムで一緒に学ぶ方々とは、自分と同じ悩みや気持ちを抱えているので、お話をしたり聞いたりするだけで、自分だけではないと気持ちが楽になりました。また、病院とは感じさせない明るく清潔感のある施設、優しい病院の皆様のお陰で、行くのが楽しみになり、気分も明るくなっていきました。
プログラム7回受講後の現在は、家族ミーティングに参加し、自分の気持ちを聞いていただいたりして、気持ちを整理しています。
プログラム7回受講し終わっても期間をおいて再受講も出来るそうですので、私は半年位間隔を空け、2回目の家族プログラムを受講しようと思います。同じプログラムを受けても、その時の状況や気持ちの変化で、自分の変化にも気づくそうです。
その後、主人はうつ病を併発し長期休職しています。飲酒も自分でコントロールして飲んでいますが、私は一切口を出しません。それは、主人が先生を信頼し、診察を受ける姿を見ているので、全て先生にお任せするのが一番だと思うからです。
色々、辛い事もありましたが、主人が受診に至り本当に良かったと思います。先生が、依存症は長い戦いとおっしゃっていました。
いつも気が張っていては、長期戦も戦えなくなってしまいます。現在は、自分の時間を大切にし、日々を過ごしています。
まだ長い道のりは続きますが、病院の皆様のお力を借りながら、主人の力になれればと思います。